【IT論考β】 SNSは「弱い紐帯」で使わないと疲れてしまう?[#303]

IT

■ 日本でSNSが台頭しはじめたのは
  2000年代初頭で、その頃はmixiに
  勢いがありました。
  
  その後、トレンドは移り変わって
  いますが、勢いのあるSNSには必ず
  
   ○○疲れ (○○=は流行しているSNS名)
   
  という単語がついてまわっている
  ように思われます。
  
  mixi疲れ、Facebook疲れ、LINE疲れ…。
  
  
  コミュニケーションをより便利に
  してくれるはずのツールが
  
  むしろ人間を疲弊させているとしたら
  それはあまりに皮肉です。
  
  
  SNSによってそんなに疲れているなら
  なにか使い方が間違っていると考えた方が
  よさそうです。
  
  
■ アメリカの社会学である
  マーク・グラノヴェッター氏が
  1973年に
  
  ”The strength of weak ties”
  (弱い紐帯の強み)
  
  という仮説を発表しました。
  
  
  新規性のある価値ある情報は
  家族や近しい友人よりも
  
  知り合いの知り合いなどむしろ
  つながりが弱い人からもたらされる
  可能性が高いという説です。
  
  
  この説が発表されたのはSNSなど
  影も形もない時代ですが、
  
  SNS全盛の現代においてこそ
  その真価を発揮するといえるでしょう。
  
  
  ゆるく、なんとなくつながりを
  維持するのにSNSは最適なツールです。
  
  情報を押しつけるわけでもなく
  とはいえ適度に自分の存在が
  多くの知り合いに届くようにはしておく
  
  そんな使い方が可能だからです。
  
  
  弱い紐帯を維持するのに使う限り
  SNS疲れはそうそう生じないはずです。
  
  問題の多くは強い紐帯にSNSを
  導入したときではないでしょうか。
  
  
  強い紐帯はただでさえ、リアル世界で
  強い人間関係が形成されています。
  
  そこにSNSを投入してさらに紐帯を
  強くしたら息苦しくなるのは必至です。
  
  
  若年層にみられるLINEによる
  トラブルはその典型といえましょう。
  
  
■ バーチャルな技術はあくまでリアルを
  補完するのが現状では最適な使い方です。
  
  SNSに疲れを感じているなら
  リアル世界にバーチャルの力を
  持ち込み過ぎていないかチェック
  するとよいかもしれませんね。
  
  
 今日の【まとめ】
 ■ SNSの普及はSNS疲れを蔓延させた?
 ■ 弱い紐帯を維持するのにSNSは最適
 ■ SNSと強い紐帯の組み合わせは疲れの元か
  

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