人間というのは常に開発兼本番系?

IT

ITに携わる人なら当たり前ですが、システムにはユーザにサービスを提供する「本番系」と開発者がテストなどに用いる「開発系」の二系統があるのが通常です。つまり基本的にはほぼ同じものがふたつあるのです。

システムに新しい機能を追加したり、不具合を修正したりする場合には、まず開発系に変更を加えてテストをします。そして問題がないことを確認してから、本番系に変更を加え、ユーザにリリースするのです。

本番系と開発系の二種類を持つのは、ほぼ同じものをふたつ持つことなので、ある意味では無駄なのかもしれません。実際、種々の理由により本番系しかないということもあります。しかし、本番系しかない場合には運用上様々な制約が出ます。ユーザにサービスを提供し続けつつ、システムを改良するためにはやはり開発系が必要なのです。

 

ひるがえって、人間というのはどうでしょうか?

当たり前ですが、一人の人間に本番系と開発系の二系統などありません。クローン技術があればその限りではないのでしょうが、個々の人間は唯一無二の存在です。したがって、常に本番系です。しかし、常に学び変化し続けるという点では開発系ともいえます。つまり人間は本番系と開発系が兼用なのです。

そう考えると、人間が色々と新しいことを試みて、ときに他人様に迷惑をかけるのも納得がいきます。本人は開発系のつもりで色々試していても、周囲から見えているのは常に本番系だからです。このアナロジーは業界人にしか伝わらないかもしれませんが、開発系のないシステムで本番系のシステムをいきなりいじるような行為を常にしているのが人間、ということになります。

開発系のない唯一無二たる人間は、成長する過程で周囲に迷惑をかけることがあるのも、ある意味では必然なのでしょう。

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