通話料金定額化とみせかけた料金プランの複雑化。

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docomoとSoftBankに続き、auも通話料金が定額となる新しい料金プランを発表したようです。一見、通話の定額化という消費者ウケのよい発表に見えますが、果たしてどうか。

LTEが登場するまでは、通話単価の異なる料金プランをいくつも用意して、そこに無料通話というものを付加し、さらに割引サービスをてんこ盛りにしていました。そしてそれは「料金プランが複雑すぎる」という消費者の声をまねきました。

ユーザニーズ(と自社の販売戦略)に合わせて料金プランを多様化させた結果、逆にユーザに最適なプランを診断するサービスを提供しなければいけないという本末転倒な結果になっていたのです。

それが、LTEの登場にあわせて基本料金をひとつになりました。データ通信も原則としてフラット型定額が必須になりました。ある意味では非常にシンプルな形になったのです。

ところが、シンプルさゆえにLTEプランにすると通話料金の単価が高く、データ通信の定額料金が高いことに気づいたガラケーユーザは、LTEプランへの移行をためらったわけです。つまり「スマホに変えると高い」となり、スマホ移行への足かせとなったわけです。

とはいえ、VoIPアプリがたくさんあるスマホの世界では、キャリアの電話回線を使って長時間通話をする必要性はほとんどありません。特にLINEの普及率がこれだけ高い昨今においては、LINE通話で事足りるユーザが大半でしょう。実際のところ、通話料金定額のニーズがあるのは電話番号の存在が必要な法人顧客ぐらいではないでしょうか。

今回は、データ通信定額が高いという声に応えるためか、今度はデータ定額の方が複数プラン用意されるようになりました。しかし、これも有効に機能するかは甚だ疑問です。

通話ならば単位は「分」なので、一ヶ月に何分電話するかを基準にプランが選べます。しかし、データ通信の単位は「GB」です。どういう使い方をしたら何GBになるかなんて素人には分かりませんし、プロですら実際に使ってみないと分からないレベルです。

「料金プランが複雑すぎて選べない」という前時代に戻るような気がしてなりません 。キャリアは自分で自分の首を絞めるのが好きなのでしょうか…。

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