■ いまの時代はほんとうに情報に溢れていて
かなり多くの人が溺れかかっている気がします。
ネットの発展により情報の複製コストが
下がったのがその一因でしょうが、
それによってどんな抽象度の情報の
流通量が増しているのかは注視したいところです。
■ いわゆるバイラルメディアとSNSによって
大量拡散される情報というのは
極めて具体的・即物的な情報が多いというのが
筆者の見解です。
すぐに役立ちそうなテクニックや豆知識は
確かに魅力的ではあるのですが、
その効果というのは一過性です。
すぐに役に立つものほど、
すぐに役立たなくなるものです。
他には感情を揺さぶる系のネタも
拡散されやすいようです。
ショッキングな映像・画像や
いい話・泣ける話などがその類いです。
そういった情報そのものが悪いわけでは
ありませんが、
それらに一喜一憂するだけだとしたら、
情報に踊らされていると言えます。
■ ネット上に存在する情報の多くは
具体的なままであり、
あまり抽象化されていません。
それは、具体的な情報の方が生成するコストが
安い場合が多いことや、
ユーザにもより具体的な情報を求める傾向が
強いからかもしれません。
しかし、それらは賞味期限が短く、
普遍性が薄いという点で、
送り手と受け手の両者にとって
あまりメリットがありません。
■ 抽象化された概念は理解するまでは大変ですが、
体得すれば波及効果は大きいものです。
ピタゴラスの定理などは遙か昔から知られており
たった一行の数式で表現出来ますが、
その重要性は非常に大きく、それが揺らぐことは
今後もないでしょう。
抽象化(一般化)された概念というのは
これほどまでに影響力が大きいのです。
■ このような現実を考えると、
日々インプット・アウトプットする情報の
抽象度をより意識することが望ましい。
そのように思う今日この頃です。
今日の【まとめ】
■ 具体的な情報はすぐに役立つがすぐに役立たなくなる
■ 抽象的な概念は体得すれば波及効果が極めて大きい。
■ インプット・アウトプットする情報の抽象度に注意を
【IT論考β】 情報を発信するにも受信するにも抽象度を意識することが必要。[#217]
