■ ITというのは上手く使えば便利であり、
実際すでに社会インフラ化していることからも
人間にとって不可欠であることは間違いありません。
しかし、社会や組織・仕事においては
不可欠だとは思うものの
パーソナルユースの面でどうかといわれると、
かなり疑問だというのがSEたる筆者の立場です。
■ コンピュータが得意なのは
「大量のデータを定型化された手順で
高速に実行する」
ことです。
日々大量に行われる銀行取引(決済)を処理したり
JRのように大量の座席予約を管理するには
コンピュータの力を借りるのが一番です。
昔は労働集約的に行っていたこれらの作業も
処理量が増大した現代において人間が行うのは
現実的ではないでしょう。
■ 経済の成長とともに社会全体で処理しなければいけない
情報の量は増大します。
これが等差級数的な増加なのか、等比級数的増加なのかを
調べたことはありませんが、おそらく等比級数的なのでしょう。
それを人手でさばいていくのは非現実的です。
■ そのようなわけで、
ITというのは成熟した経済の中では不可欠であろうことは
間違いないのですが、
それが個々人にとってもそうかというと、それは別問題です。
■ なぜなら、人間に与えられた時間は誰しも一日二十四時間
であり、本質的に人間の情報処理能力には限界があります。
そこに対して、大量の情報を投入するIT機器を単に
持ってきただけでは人間が情報に溺れるだけです。
■ スマートフォンは便利ですが、
極論すれば庶民がバーチャルな秘書を実現するための
ツールともいえます。
誰かにアウトソースすることが可能なことを
忙しいビジネスパーソンが自分でこなそうとするときに
真価を発揮するツールなのです。
(スマホゲームで遊ぶのはそもそも本論の対象外とします)
■ ITは本質的にそれ自体が価値の源泉ではないので、
こと知識労働者という観点でいえば必須ツールではなく、
それがゆえに、IT断食をしても成果が変わらないどころか
むしろ増加したりするのでしょう。
■ ITのパーソナルユースについては、
よくよく考えながら自らにあった使い方を
考える必要がありそうですね。
本日の【まとめ】
■ 莫大な情報を処理する現代では
社会インフラとしてのITは必須
■ ただし、パーソナルユースレベルでは
その必要性は吟味する必要がある
■ なぜなら人間の情報処理能力には
上限がある(考えられる)から
ITのパーソナルユースは下手をすると情報の波に翻弄される。
