何かを始めるときにはスケールするように仕込んでおく。

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IT業界、とくにITインフラの世界では「スケールする/しない構成」という言葉をよく使います。端的に言えば、規模の拡大がしやすい構成か否かということです。今回は、このスケールすることを前提とした考え方について。

新しくITシステムを構築したり、サービスを開始するときに、最初から大規模な構成をとるのは現実的ではありません。最初から多くのユーザに使ってもらえるなどというのは希ですし、下手をするとほとんど使われないかもしれません。そこに対して初期投資を大きくするのは無謀です。

一方で、幸運なことにユーザ数が増えたときに、それをさばけるようにインフラは増強する必要があります。このときに、それまでの投資を無駄にせずスムーズに規模を拡大できないと、身動きがとれなくなります。したがって、規模の拡大が見込まれる場合は、それが容易な構成を最初から取っておくことがITインフラでは要肝となるのです。

そして、この考え方はおそらく何にでも当てはまります。新しい仕事を始めるとき、趣味を始めるとき、勉強を始めるとき、など何事も最初があります。はじめは小さくかつ迅速にスタートし、軌道に乗ったら規模や投入するリソースを増やすというのが定石でしょう。趣味などは最初に初期投資をして道具を揃えたのに続かなかった、という話はよくあるので、よほどの確信がない限り最初から大きくリソースを投下するのは考えものです。

しかし、小さく始めたからといって軌道に乗ったときに足かせになるようでは困ります。最も困るのが中途半端に大きくなってしまったときです。新しい仕事が軌道に乗ったが、日々の仕事に忙殺されて効率化をする方法を考える暇がない、というのが一例です。この場合は自分の時間・身体がボトルネックになっています。そうなる前に、システム化をするとか、他の人に頼めるようにしておくとか、スケールさせる方法を考える必要があるでしょう。

もちろん、スケールさせることを考えるあまり最初の一歩を踏み出さないのは愚の骨頂ですが、奏功したときのことを全く考慮しないのも問題です。このあたりをうまくバランスさせながら、新しい物事に取り組みたいものです。

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