無料のクラウドサービスにみるITエンジニアの憂鬱。

IT

最近はフリーミアムなクラウドサービスが充実していて、普通に使う分には無料会員でも十分なものも多々あります。それは非常に便利でよいことであり、筆者もその恩恵に預かっているのですが、ITエンジニアとしては悩ましい気持ちもあるのです。

KADOKAWA・DWANGO の川上会長は、以前からネット上でコンテンツに対してお金を払わない文化に警鐘を鳴らしています。もちろん、氏がコンテンツ系企業の経営者だからというのは多分にあるでしょうが、ネット上になった瞬間にタダになるものが多いのも事実です。

メールにしても、少し前までは有料のプロバイダが提供するメールサービスが主流で、フリーメールはオフィシャルな場で使うのは憚られる空気がありました。しかし、いまやGmailが仕事で使われることもあり、必ずしもお金をかけて使うものでもなくなりました。

LINEをはじめとするメッセージサービスはもちろん無料ですし、ソーシャルゲームの類いも無料で遊ぼうと思えば遊べるわけです。ネット上ならタダという空気がどこかで醸成されているような気がします。

しかしながら、ネット上のサービスを運営する裏側には当然エンジニアが存在しているわけで、どこかでそのコストは賄われることになります。無料のサービスを沢山展開しているGoogleのエンジニアは給料が安いかというと、むしろその逆で、能力も給料も高いエンジニアが集まっているのです。

「どこからお金を頂戴するかというビジネスモデルの問題だ」といえばそうなのかもしれませんが、受益者がほとんど(あるいは全く)コストを負担しないモデルが安定的なのかは不明です。知識労働者の成果をタダで利用できることが、 知識労働に対する正当なチャージを阻害する空気を情勢しやしないかと、気にもなります。

とはいえ、オープンソースソフトウェア(OSS)まで踏み込むと解釈がむずかしくなり、一筋縄ではいかない問題ではあるのですが、、、。

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