24/365の功罪。[前編]

思考

24/365(にーよんさんろくご)という単語がIT業界では使われます。この場合は24時間365日稼働のシステムを指す場合が多いです。そんな24時間365日について考えます。

先日、お役所仕事に関する記事を書きましたが、お役所に対する不満でよくあるのは「夜遅くまで窓口があいていない」、「土日祝日に窓口があいていない」といった類いのものがあります。

昔のことをよく知っているわけではないので、なんともいえないのですが、お役所も最近は土曜日に窓口を開ける自治体もあるなどそれなりには対応していると思います。

夜でも土日でも、というサービスがここまで伸びている背景には、コンビニエンスストアと世の中のIT化が大きく貢献しているのではないかと思います。最近は多くのお店が年中無休だったりしますが、それが行き着くとこまで行き着いているのが、24時間365日の営業でしょう。コンビニエンスストアが24時間365日営業して、そこが料金収納だったり、チケットの予約・発券だったり、荷物の発送・受け取りなどさまざまなサービスの窓口として機能しています。最近では、住民票が受け取れる自治体もあるようで、もはや役所の窓口の代行も受けたらいいのでは?と思ってしまうほどです。

しかし、このようにエスカレートしていくのが我々消費者というかサービスの受益者の悪いところでもあります。多くの場合、便利なモノというのは何らかの代償が伴っているのです。無論、その代償を受益者が負担しているとは限りません。コンビニなら24時間誰かしら店員がいるわけで、そういう方々がシフト制とはいえ絶え間なく、決して高いとはいえない賃金で働いているからこそ、あのサービスは成り立っているわけです。店舗によっては、オーナーが一日10数時間店に出るということさえあるそうです。

年々コンビニで受けられるサービスの種類が増えていくということは、現場に求められるオペレーションの負荷もそれなりに増大しているということ。FC制度のもと、本部が決めた新サービスには従わざるを得ないでしょうから、提供すべきサービスが多すぎて頭を抱えている店舗もそれなりにあるのではないかと予想できます。

これを消費者の側があまりにもサービスを要求しすぎているのではないか?と最近感じるのは、筆者が24/365での稼動を支えるITという世界に身を投じていることと無関係ではないでしょう。

次回は、世の中の24/365化を推し進めた立役者?であるITとそれに振り回されるSEの苦悩をお伝えしようと思います。⇒24/365の功罪[中編]

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