Google先生やWikipedia先生がいても情報を暗記するべき理由。

ほぼエッセイ

Google先生やWikipedia先生が何でも教えてくれる昨今において、知識を暗記しておく必要性は相対的に薄れているような風潮を感じます。しかし、実際はむしろ暗記しておくことが重要なのではないかと逆説的なことを考えてみます。

単語の意味や細かな統計データ、難しい事柄の説明などはGoogle先生やWikipedia先生が得意とするところです。スマートフォンを取り出して検索をすれば5〜10秒以内には必要な情報を取り出すことができます。打合せ中でも会話中でも、ちょっと話を中断すれば調べた上で話を再開することが出来ます。非常に便利な世の中です。

しかし、現実問題として5秒の中断は長すぎるのです。会話をしていてレスポンスに1秒以上かかったらテンポ良く話が進まなくなります。まして、検索のために話を中断したらもっとテンポが悪くなります。したがって、違和感なく会話を進めるためにはコンマ何秒というタイミングで脳から必要な情報を取り出す必要があります。そのためには暗記しておかなければ不可能です。

別に調べればいいじゃないか、と考える向きもあるかも知れません。

しかし、「日本のGDPは約500兆円で、そのうち個人消費の占める割合は約60%だから、この事業のマーケット規模しては…」と具体的な数字がすらすら出てくる人と「日本のGDPに占める個人消費の割合は確か結構大きくて…、ちょっとまって、(スマホで検索)、あぁ、GDPが500兆円でその6割が個人消費だから…」と話す人でどちらが説得力を感じるでしょうか?そしてどちらがスムーズに会話が進むでしょうか?

おそらく前者の方がデキる人というイメージを持つのではないでしょうか?そういうイメージを相手にもってもらえば説得や交渉もスムーズに進むはずです。そのためにはGoogle先生やWikipedia先生にたよらず、必要な情報は脳に置いておく必要があるでしょう。わずか数秒の差ですが、されど数秒なのです。

もちろん、将来的に脳内にGoogle先生が常駐していて、必要な情報を瞬時に「あなたが言いたいのは○○ではないですか?」と提案してくるようになったら話は別ですが…。

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