アナログな世界でのセレンディピティを求めて。

思考

前回(情報化が進んでもface to faceの会議はなくならない)に関連したお話。

オンラインで遠隔地を結んで会議が出来るようになったとはいえ、face to faceでの会議はなくならないだろうというのが筆者の予測です。生身の人間同士が会ったときの感覚がオンラインでは得られないというのがひとつの理由ではありますが、もうひとつ外せないであろう理由があります。

セレンディピティの機会を増やすことこそがむしろ人間が一堂に会する理由であるからです。会議の合間にする雑談から新しいアイディアだったりコラボレーションが生まれることは多々あります。懇親会が存在するのも単にタダ酒が飲みたいからだけではないはずです。会議というパブリックな場ではないからこそ生まれる何かはときに会議の成果以上のものを生み出しているでしょう。

技術が進歩してバーチャルリアリティがほとんど現実と区別が付かなくなるような時代が到来したら、会議自体はface to faceでやる必要性はないのかもしれません。しかし、バーチャルリアリティにセレンディピティを完全に含めて移行するのは難しいでしょう。

無論、SNSなどで新たな出会いがあることを鑑みれば、バーチャルな世界にもセレンディピティは存在しているのは確かです。とはいえ、アナログな現実世界にはデジタルで作られたバーチャルリアリティには乗り切らない何かが存在していると考えます。それはどれだけ人々がデジタルネイティブになっても変わらず、むしろそこに意味を見いだせることこそが人間を人間たらしめるのではないかと思うのです。

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