■ 新しい概念を抽象的なまま理解するのは
極めて難しいことです。
したがって、具体例など直感的にわかりやすい
解説が欲しくなります。
一方で、知り得た知識を実際に使う際は
元の知識が抽象的であるほど適用範囲は
広くなります。
ここに、出来るだけ具体的に説明してほしい
というニーズの一方で
なるべく抽象化した形で習得したいという
相反する要求が生じます。
■ 具体例からはじめて一般化するというのは
王道ではありますが、どうしても時間が
かかかります。
もちろん、本当にはじめての抽象概念なら
それが恐らく最短コースなのでしょうが
抽象的なモノになれてくると別な選択肢が
出てきます。
それがアナロジー(類推)の活用です。
すでに知っている概念の情報を
新しい概念と対応させることで
より早く理解をはかることができます。
例えば、(←これは例示ですが、、)
ある乗り物に説明をするときに
「車で言うところのハンドル」
といえば、
「進行方向を制御する手段だな」
とわかります。
「車のアクセルに相当する」
といえば
「加速するための制御装置」
と容易に理解できるでしょう。
そもそも、乗り物の仕組みを理解しようと
いう場合には、
自転車や車などすでに知っている身近な
乗り物から類推すれば
逐一対比せずとも、より抽象的なまま
理解が可能になるはずです。
乗り物とは抽象的な言い方をすれば
「高速に移動するための手段」
になるので、
あとはアナロジーの力を用いて
具体的な部分(仕組み・装置)を適宜
理解していけばよいのです。
■ というのように素早い理解に有用なのが
アナロジーですが、もちろん完璧では
ありません。
別々な概念(事物)として存在するからには
その間にはなにかしら相違があるはずです。
細かな部分については差異がありますから
厳密な理解を行いたい場合には
類推だけでは当然不十分になります。
あくまで、
おおむね、イメージとして、
理解するところに有効です。
■ とはいえ、アナロジーは多くの学びや
思考を行うには必須でありましょう。
なんせ、与えられる時間は有限なのですから。
今日の【まとめ】
■ 汎用的概念は抽象的であり理解が難しい
■ 具体例から一般化するのは時間がかかる
■ 既存概念のアナロジーを活用できれば時間短縮に