得意であり好きでもあることで成果をあげる。

思考

サザエさん症候群というのは、日曜の夕方になると翌日からの会社勤めを思って憂鬱になる症状のことをいいます。そんな言葉が作られるくらいなので、会社に行くのが好きな人は多くはないのでしょう。しかし、一方で仕事が好きでいきいきと働いている人がいることも事実。

労働時間が成果に正比例していた産業資本の時代と比べ、知識資本の時代が到来した現代にあって、知識労働者の成果は労働時間に必ずしも比例しません。その理由として、ひとつには成果を生み出すには「強み」に立脚する必要があるだろうということがあげられます。その分野において強みを持っている人間と、持っていない人間が同じ時間だけ働いたとしたら、どちらが大きな成果をあげるかは明らかです。

もう一つ、価値観の問題があります。それを好きでやっているのか、嫌々やっているのかということです。サザエさん症候群にかかるビジネスパーソンというのは少なくとも今の仕事を好きでやっているのではないということです。一方で、仕事が好きで四六時中、仕事のことを考えているという人もいます。これもまた、どちらが同じ時間でより大きな成果をあげるかはあきらかです。

さて、もしこの二つが合致する場合にはどうなるでしょうか? 成果が倍加あるいはそれ以上になるだろう事は想像に難くありません。得意であり、好きなことにひたすら打ち込むわけですから、成果が出ないはずがないのです。もちろん、本人はそれを楽しくてやっているので、生き方としても幸せなはずです。

それに対して、仕事だから嫌々やっている人がかなうかどうか。考える必要さえない問いでしょう。

SI業界にも、嫌々ながらSEをやっていて家ではITのことなど考えたくないというエンジニアと、四六時中ITの事を考えていて趣味で自分のサービスを運営しているエンジニアがいます。日本のSI業界は労働集約的な産業なので、その二者の違いというのは会社での成果には表れにくいかもしれません。しかし、この業界構造が破綻したとき、どちらのエンジニアが生き残るのか。この問いの答えは上記の概念を適用すれば自ずと明らかになります。

知識資本の時代に、得意でも好きでもないが、お金のために仕方なくいまの仕事をしているという人は、先行きが怪しいと考えた方がよいかもしれません。

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