オンラインでの学習が普及しないのはコミットメントが弱いから。

ほぼエッセイ

インターネットが全盛な昨今はオンラインで学習も出来る時代です。Webセミナーとかe-learningとか、名称は色々ありますが自宅にいながらにして学習ができる環境は整いつつあります。が、果たしてどのくらい普及しているのでしょうか??

これは筆者の肌感覚でしかないのですが、オンラインで学習することへの技術的な進歩に比べると、実際にオンラインで学ぶ人の数はそこまで増えていないような気がするのです。自らを振り返っても、Webセミナーを受けようと思っていたけどそのまま放置してしまったことは一度や二度ではありません。

場所や時間を気にする必要がなく、場合によっては良質なコンテンツが安価に提供されていることもあるので、これを利用しない手はないはずです。しかし、イマイチ盛り上がりに欠ける原因は何なのか?

やはりリアルに比べるとバーチャルには欠落しているものがあるというのが一つの解答です。ただ、理由はそれだけではありません。おそらく、自宅にいながらにして学べるというこの手軽さこそが普及を妨げる阻害要因なのです。

リアルのセミナーや勉強会、予備校などは「いついつにどこで」という形で行われます。これに参加するためには申し込むという行為が必要です。するとここにひとつのコミットメントが生まれます。有料の場合には参加費の支払いを行うので更にコミットメントが強まります。このようにリアルの場合には必然的にコミットメントが生じ、これが実際に参加する一つの動機、ある種の束縛になるわけです。

一方で、オンラインの場合は、多くはその気になったときにコンテンツにアクセスすれば学べます。申し込みが必要な場合もありますが、簡単な会員登録だけのことも多く、コミットメントとしては弱いのです。オンラインであるがゆえに、「自分が参加しなくても…」という意識が働きますから、なおのこと弱くなります。有料の場合でも、課金のタイミングとコンテンツを取得するタイミングが同時であることが多いでしょうから、あらかじめ支払ってコミットメントを発生させるという形にはなりません。

学びの場に参加することは、学ぶ時間をあらかじめ天引きできることが一つの効用なので、コミットメントの力が働くか否かは非常に重要です。オンラインでの学習においてこの効用が弱いとなると、オンラインでの学びはその在り方に構造的な欠陥を内包することになります。

これは技術的に解決できる問題ではないので、どこまでいってもリアルにはかなわないかもしれません。

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