システムの永続性を担保しつつアグレッシブな開発はできるのか?

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久しぶりにシステムのお話です。

筆者の友人・知人に勤めている企業の社内システムの話を聞くと、端的に言って「しょぼい」システムだという感想を聞くことが多いです。それは主に見た目(UI)の話だったり、操作性の話だったりで、つまるところユーザーエクスペリエンスと呼ばれているものです。あくまでユーザーとしての感覚で「しょぼい」と感じる人が多いだけなので、システムの設計全体がしょぼいのかどうかはわかりません。

とはいえ、クラウドサービスの台頭によってコンシューマー向けのシステムというのは日々進化しています。最も有名なのはGoogleです。Googleはロードマップを示すということはしませんが、検索エンジンにしてもgmailにしても日々改善が加えられています。つまりユーザは毎日最新のシステムに触れていることになります。そうなると、ユーザーのシステムを見る目が肥えてきますから、勤めている企業の社内システムが「しょぼく」思えるのでしょう。

しかし、このしょぼいシステムをどうにかするというのはなかなかに難しい問題があります。それは単に社内システムを作っているエンジニアの質だとかベンダーの技術力の問題にはとどまらないからです。

企業のシステムは、その永続性を担保していく必要性が生まれます。無料のWebサービスの中には提供側の事情でサービスが終了したものも数多あります。Googleのサービスでも、開発や提供が終了したものというのがあるわけです。システムを無料で使っている個人ユーザは、それでもある程度の割り切りが出来るでしょうからそれでもやっていけますが、企業のシステムで提供側の都合で一方的にサポートを打ち切るのは難しいものがあります。そうすると、提供側もシステムの永続性をある程度は担保できる形で開発して行かざるを得ません。そうなると、どうしても保守的になり、メジャーになるかわからない最先端の技術をアグレッシブに導入するのは難しくなります。そうなると、冒頭のようなユーザーエクスペリエンスは多少なりとも落ちるわけです。

現在ならば、ユーザーはスマートフォンやタブレットを使ったシステムを望むのでしょうが、スマートフォンやタブレットが5年後10年後にどうなっているのかはわかりません。なにより、スマートデバイスはまだまだ進化の途中ですから現在の機種やOSはあっという間に陳腐化するはずです。そこまで見越して5年10年使える企業向けシステムを開発するのは非常に難しいでしょう。

この問題にどのあたりで落としどころを見つけるべきなのかは、筆者にもまだ答えは見えません。

 

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