SIerのマーケットは縮小するけど、ITエンジニアのマーケットは無限大。【後編】

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SIerのマーケットは縮小するけど、ITエンジニアのマーケットは無限大。【中編】の続きです。

クラウド化が進めばSEが大量に余るので、ITスキルの無いSEは市場からご退場いただくことになるだろう、というのが昨日の主張でした。では、ITスキルをもっている「ITエンジニア」はどうなるのか?それが本日のテーマです。

SEが大量に余るにもかかわらず、「ITエンジニア」のは生き残ることが出来ると筆者は考えています。なぜなら、彼らの持っているITの知識・スキルを必要としている人々は世の中には大勢いるからです。言い換えればマーケットがあるということです。

ITシステムがクラウド化しようとも、ユーザがどのクラウドサービスを利用すべきかを適切に助言できるのは、ITに関する深い知識がある人間です。いわば、ITコンサルタントのような仕事をする人が必要です。おそらく、クラウドサービスが成熟期を迎えるまでの間は玉石混淆のクラウドサービスが乱立するでしょう。そこから、ユーザのニーズを満たすサービスを選択する手伝いをするニーズは必ず生じるでしょう。

上記のコンサルタント的な立ち位置は、主に中堅以上の規模の顧客企業を想定しての主張ですが、世の中には数百万の中小企業のほか、NPOなどの非営利の団体や個人がいます。そういった人は、そもそもITをうまく活用仕切れていなかったり、どう活用していいか分からないといった人が大勢います。そのような「現場のニーズ」に対して、ITエンジニアが貢献できることはほとんど無限にあるはずです。そこはほとんど無限大ともいえるマーケットがあるのです。実際、そのような相談を筆者は受けたことがあります。

では、現状なぜそういったニーズのある場所がSIerにとってのマーケットにならないのでしょうか。答えは単純で、SIerの作るシステムの単価が高すぎるからです。彼らに数千万のシステムを買うほどの余裕はないのです。しかし、これからはシステムを作らずとも、利用すべきクラウドサービスの選択を手助けし、必要に応じてカスタマイズや組み合わせを行うことをアドバイスすれば、顧客にとって必要なIT環境を用意できる時代となることでしょう。すでに利用可能なサービスはクラウドに多数存在しているのですから。

ITエンジニアが生き残りを賭けるならば、このマーケットに手を出すべきだと筆者は思うのです。そして、そこでマネタイズするスキームさえ構築できればおそらく10年とかそれ以上は職に困ることは無いと思うのです。

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