もうすぐオフショアなんて成立しなくなるんじゃ?【前編】

IT

本日はまたIT業界ネタです。オフショアというものがシステム開発では通用しなくなるだろう、という主張が本日のテーマです。 

SIerというか、日本におけるシステム開発というのは構造的には建設業に非常に似ています。

大手・中堅企業がシステム開発を委託する場合には、まずは大手・中堅のSIerに仕事を発注します。つまり建設業でいうゼネコンです。だから、この業界では元請けにあたるSIerを「ITゼネコン」と揶揄したりします。

ITゼネコンといわれる所以はもちろんそれだけでなく、受注した開発を子会社・関連会社・協力会社などに流すことからも来ています。したがって下請け・孫請けなんて日常茶飯事です。

そして末端でソースコードを書くのがプログラマで、そのプログラマは派遣会社から派遣されたり、非常に小規模な企業で雇用されていたりするわけです。これが、建設業でいう現場の作業員に相当することから、「IT土方」という単語が生まれました。

 現実がそうなっているならば、元請けや下請けの会社はなるべく次の会社へ丸投げした方が低リスクで利ざやを抜けるのは明らかです。そうなると、企業としてはいかに安く次の会社に発注するかというのが最大の関心事になります。なるべく多くの仕事を単価の安い会社に発注できればそれだけ自社の利ざやは稼げるのですから。

そこから生まれたのが、賃金の安い新興国へ仕事を流すという方法です。つまり、これがオフショアです。システム業界はいろいろと別な理由をならべたりしますが、少なくとも筆者が考える限り、上記がオフショアを行う最大の動機なはずです。

 一見、仕事を新興国に頼んでしまえば安くなる気がします。ユニクロだってニトリだって、新興国の安い労働力に支えられて高収益企業となったわけですから。まぁ彼らもある種のオフショアをしているわけです。

 さてここからが本題なのですが、だいぶ長くなってしまいそうなので明日へ続けます。もうすぐオフショアなんて成立しなくなるんじゃ?【後編】

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