■ 「マニュアル」と言われると
エンジニアとしてはいわゆる取扱説明書を
イメージしてしまいますが、
今回のテーマはその意味よりは
標準化された手順(書)というほうの
「マニュアル」です。
チェーン店などのマニュアル接客とか
業務マニュアルというときのニュアンス
のほうです。
■ 様々なケースを想定しつつ、標準的な
シナリオを定めて、それを遂行する際の
手順を定義したものがマニュアルです。
定義から明らかにマニュアルにそって
行われる作業は定型化されています。
それゆえ、「マニュアル接客」という語は
画一的すぎるという少々否定的なニュアンス
で用いられることも多いようです。
また、マニュアルに従うがあまり
対応の柔軟性がとぼしくなることもあり
状況に応じた最適な選択肢が実行されない
など、デメリットが指摘されることが多いのも事実。
■ しかし、一方でこの「画一化」こそが
マニュアルを採用する最大の魅力でもあります。
人間の行う作業というのはどうしても
バラツキ(ムラ)が生じます。
同じ作業を複数の人間が行えば
当然そのクオリティはばらつきますし、
同じ人間であっても繰り返し同じ作業
をすればやはりバラツキがでます。
クリエイティビティが必要な作業なら
思いっきりばらつかせるのもありですが、
ミスなく確実に作業を実施したい場面では
バラツキが生じると困ります。
人間はミスを犯したり錯覚をしたりするので、
マニュアルもなくその場の判断で進めると
本人が自覚している以上の頻度で
想定外な結果を招きやすいのです。
■ マニュアルを作成する作業とは
ある種の設計ともいえます。
実際の作業とは別に手順だけを
検討することで、
予め多様なケースを想定しつつ
最適な方法を選択することが可能になります。
そして、その設計書は何度でも利用可能
ですから、
再現性高く一定クオリティ以上の
アウトプットを継続的に行うことができます。
■ そう考えると無味乾燥に感じるマニュアルに
多少は期待の色が見えてくるかもしれませんね。
今日の【まとめ】
■ マニュアルとは標準的な作業手順をまとめたモノ
■ それによってもたらされる画一化こそが魅力
■ バラツキを少なくしたい作業においては特に有効