【IT論考β】 マニュアルは品質にバラツキをなくすための有効な手段。[#298]

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■ 「マニュアル」と言われると
  エンジニアとしてはいわゆる取扱説明書を
  イメージしてしまいますが、
  
  今回のテーマはその意味よりは
  標準化された手順(書)というほうの
  「マニュアル」です。
  
  
  チェーン店などのマニュアル接客とか
  業務マニュアルというときのニュアンス
  のほうです。
  
  
■ 様々なケースを想定しつつ、標準的な
  シナリオを定めて、それを遂行する際の
  手順を定義したものがマニュアルです。
  
  定義から明らかにマニュアルにそって
  行われる作業は定型化されています。
  
  それゆえ、「マニュアル接客」という語は
  画一的すぎるという少々否定的なニュアンス
  で用いられることも多いようです。
  
  また、マニュアルに従うがあまり
  対応の柔軟性がとぼしくなることもあり
  
  状況に応じた最適な選択肢が実行されない
  など、デメリットが指摘されることが多いのも事実。
  
  
■ しかし、一方でこの「画一化」こそが
  マニュアルを採用する最大の魅力でもあります。
  
  人間の行う作業というのはどうしても
  バラツキ(ムラ)が生じます。
  
  
  同じ作業を複数の人間が行えば
  当然そのクオリティはばらつきますし、
  
  同じ人間であっても繰り返し同じ作業
  をすればやはりバラツキがでます。
  
  
  クリエイティビティが必要な作業なら
  思いっきりばらつかせるのもありですが、
  
  ミスなく確実に作業を実施したい場面では
  バラツキが生じると困ります。
  
  人間はミスを犯したり錯覚をしたりするので、
  マニュアルもなくその場の判断で進めると
  
  本人が自覚している以上の頻度で
  想定外な結果を招きやすいのです。  

  
■ マニュアルを作成する作業とは
  ある種の設計ともいえます。
  
  実際の作業とは別に手順だけを
  検討することで、
  
  予め多様なケースを想定しつつ
  最適な方法を選択することが可能になります。
  
  
  そして、その設計書は何度でも利用可能
  ですから、
  
  再現性高く一定クオリティ以上の
  アウトプットを継続的に行うことができます。
  
  
■ そう考えると無味乾燥に感じるマニュアルに
  多少は期待の色が見えてくるかもしれませんね。

 今日の【まとめ】
 ■ マニュアルとは標準的な作業手順をまとめたモノ
 ■ それによってもたらされる画一化こそが魅力
 ■ バラツキを少なくしたい作業においては特に有効

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