■ 一昔前では考えられないほど身のまわりが
情報で溢れるようになりました。
そんな溢れる情報をITの力を使って
整理するキュレーションアプリ/サービスも
巷では流行っているようです。
■ IT(ネット)の普及によって
情報を「複製」するコストは格段に減少
したことが一因でしょう。
注意したいのは、コストが低下したのは
「複製」であって、情報の「生成」では
ないということです。
いわゆる「コピペ」で情報を複製するのは
極めて簡単ですが、そこにはオリジナリティは
存在しません。
オリジナリティのある情報を「生成」するには
今も昔も変わらずコストがかかります。
それは、
・取材活動
・執筆活動
・編集作業
などなど色々ありますが、
いずれにせよ何らかの金銭的コストが発生します。
したがって良質な手の込んだ情報が
そんなに簡単にタダで手に入るはずがないのです。
(執筆者が無報酬のWikipediaですら
コストが発生しており、
その運営には寄付金という形で賄われています。)
■ かねてから指摘している通り、
いまのネットメディアは取材力が決定的に弱いので
情報ソースはオールドメディアであることが
ほとんどです。
ネット上に情報が溢れるようになったとはいえ
その源泉たる情報ソースが増えたわけではなく、
複製・編集の数が爆発的に増えただけある
というと少し言い過ぎでしょうか?
いずれにしても、ネット上の情報はあまりに
玉石混交であることは事実です。
そんな世界の情報をキュレーションしたときに
どこまでクオリティの高い情報が集まるのか?
この点は少し考えてみた方がよいでしょう。
英語のことわざに
Garbage in, garbage out.
(がらくたを入れればがらくたがでてくる)
という言葉がありますが、
キュレーションメディアへの入力情報が
万一がらくたばかりであれば、
どれだけ精製しても良質な情報は出てきません。
ネット上にも確かに良質な情報ありますが、
それは砂金を探すようなモノかもしれません。
もしかすると、
キュレーションアプリすら使わないという
選択肢もありかもしれません。
■ ITは目的達成のための手段であって、
決して、ITに使われてはならないのです。
今日の【まとめ】
■ ITは情報の「複製」コストは低下させたが「生成」コストは
変わらないまま
■ 取材力に欠けるネットの情報はあまりに玉石混交
■ いっそキュレーションメディアと一線を引くという手も
【IT論考β】 いっそキュレーションアプリを削除してまう。[#212]
