無意識のうちに不合理な時間の使い方をしないように。

ほぼエッセイ

「朝の5分は貴重」などといいますが、それはつまり、時間の価値が状況によって変わるということ。時間は淡々と流れてるはずなのにです。これは、「お金に色はない」といいつつも、心の会計簿に支配される人間心理に似ています。

心の会計簿というのは、色のないはずのお金に色をつけてしまう人間の心理を指します。月々の給料とボーナスでは同じ10万でも違った10万に見える、よって自ずから使い方も変わってくるという現象です。

人間というのは古典経済学が規定するように合理的な行動はしないという証左の一つが心の会計簿ですが、行動経済学では人間の不合理な行動が他にも指摘されています。人間というのは合理的でありたいと思いながらも、不合理な行動をとってしまう存在なのです。

同じことが、時間に対しても言えるのでしょう。本来なら、朝の5分と夜の5分、平日の5分と休日の5分はどれもおなじはずです。しかし、多くの人がこれらに対して重みをつけて考えてしまいます。朝の5分を貴重に感じる人であっても、休日には5分どころか数時間も無為に過ごしてしまったりするのです。

誰もがいつかは死ぬことが確実である以上、個々人の持ちうる時間は有限です。一日が24時間であるという現実もみな平等です。であるならば、いかに時間に対する認識をコントロールして不合理な行動を防ぐかが成果をあげるための条件となります。

時間に対して色をつけることが常に悪いとは限りません。意図的に時間を確保して有意義な活動にあてるなど、色の付け方次第では効果的に使うことも出来ます。問題は無意識のうちに不合理な色の付け方をしてしまう点です。ここをうまくコントロール出来るかどうかが、時間をより効果的に使うためのキモになることでしょう。

そう考えると、時間の使い方とお金の使い方というのは案外似ているのかもしれませんね。

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