プロトコルを理解しているかで属するコミュニティが制限される?

ほぼエッセイ

複数の者が各種の事項を確実に実行するための手順を「プロトコル」と呼びます。外交儀礼に対してプロトコルという表現が用いられることが多いですが、近年では情報工学分野での(通信)プロトコルの方が有名かもしれません。

通信の世界には色々なプロトコルがありますが、いずれにしても、異なる機器同士が適切にメッセージを交換できるように定められた手順です。各種のプロトコルは目的によって使い分けられています。ファイルを送りたいのか、メールを送りたいのか、名前解決をしたいのか、などなど、。

このようにプロトコルは目的(役割)に応じて様々なものがあり、その考え方自体は世の中一般でも同じです。よく業界用語とか、業界特有の慣習というのがありますが、それらは業界内でのプロトコルということになります。文化を構成する要素の一つともいえるでしょう。

したがって、ある文化や価値観を有する人々のコミュニティに入ろうと思ったら、そのコミュニティにおけるプロトコルを知らねばなりません。社交界では知的で洗練された会話や振る舞いが求められ、儀礼が決まっているように、それぞれのコミュニティで求められるプロトコルがあるのです。それを知らずして、コミュニティでうまく生きていくことはできません。

逆に考えると、どのようなプロトコルを理解しているかで、その人が属せるコミュニティがある程度制限されてしまうということでもあります。これが、あるコミュニティを「自分とは別世界」と感じる一つの要因かもしれません。

知らないというのは恐ろしいことです。

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