三次元の位置情報がないと読書は難易度があがる?

ほぼエッセイ

電子書籍の代表格であるKindleが上陸してまだ2年弱ですが、Kindle版が刊行される書籍の数は体感的にもだいぶ増えてきたように思います。とはいえ、Kindleに全面移行する人はまだまだ少ないようで…。

電子書籍のメリットはなんといっても物理的な大きさ・重さがを感じることなく持ち運べることです。もちろん電子書籍端末を持ち運ぶ必要はありますが、電子化された書籍は数十冊〜数百冊を同時に持ち運ぶことができます。そして、蔵書として保管するにおいても物理的に本棚というものを用意する必要がありません。

それゆえ、物理的に大きさ・重さのあるハードカバー系の書籍こそ電子書籍として保有したいのですが、なかなかそうもいかないのです。

ハードカバーの単行本というのは往々にして内容が濃く、その読書は重くなりがちです。一読しただけでは理解できない場合やページを行き来して理解をはかることもあります。内容を俯瞰するためにパラパラとページをめくりたいこともあります。

そういった「重い本」を読むときに必要な行為は電子書籍端末では少々難しいというのが体感的なところです。単に電子書籍に慣れていないだけ、という見方もできますし、デジタルネイティブな世代ならなんの抵抗もないのかもしれません。

確実に言えることは、電子書籍はスクリーン上での二次元の表現なのに対して紙の書籍は厚みのある三次元だということです。また、電子書籍は端末の種類やフォントの設定によって体裁が変わります。よって「何ページ目の何行目」という概念がないのです。

「何ページ目の何行目」という情報は実質的に三次元の位置情報です。非デジタルネイティブな世代は間違いなくこの三次元情報を利用してこれまで読書をしてきているはずです。この情報の有無が電子書籍での読書を難しくしているのかもしれません。

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