お金がただのbitになる時代。

ほぼエッセイ

世間はボーナスシーズンですね。業界や会社によっても支給額の水準は違うようですが、概ね前年比プラスの模様です。

ボーナスともなると一度に数十万円から場合によっては百万円超を手にするサラリーマンもいるわけですが、文字通り「手にする」人はどれくらいいるのでしょう?

いまは給与もボーナスも銀行振込が当たり前で、給与明細すら電子化されている会社もあります。筆者の場合も給料日の午前0時を幾分過ぎると入金がされているので、「あぁ、夜間バッチが自分の口座にも走ったんだ」なんてSE的な考えが頭をよぎる程度です。我ながら、お金に対する実感が薄れているのでは?とも感じます。

現在は防犯上の理由もあって、ATMで出金できる金額はかなり制限されています。あるいはキャッシュカードの引き出し限度額がATMで出金可能な金額を下回る設定にしている人々もいるでしょう。

そうなると、いよいよ現金を手にする機会というのは減ってきます。10万単位の買い物をするにしてもクレジットカードで決済するほうが安全かつ簡単です。資金の移動もネットで振込・振替で済ますことが可能です。日常的に手元に置いておくのは数万円で足りてしまいます。

それゆえ、ある金額を超えたところからは金銭感覚がある種麻痺してきます。PCやスマホに表示される数字を観るだけでは、50万円と100万円の差が体感的にはよくわからない、なんてことになるわけです。その一方でお金とは切り離すことの出来ない世界で日々生活しているという、なんとも不思議なことになっています。

少し前に、ビットコインという仮想通貨で一騒動ありましたが、現実の通貨すら日常ではコンピュータ上の bit でしかないのかも知れません。

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