「成功哲学」よりもむしろ「失敗哲学」を学びたい。

ほぼエッセイ

年末年始に買い込んだハードカバー本の処理もままならぬまま、書評本から芋づる式に本を買ってさらに積ん読が加速している昨今…。

世の中には成功した人の本だったり成功哲学を書いた本は多々あれど、失敗した人のほんや失敗に関して書かれた本はほとんどありません。

名著である、失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)は失敗について論じている希有な例といえましょう。近年では工学的な観点から失敗について研究されるようにもなってきましたが、人生における「失敗哲学」の決定版のような本は寡聞にして知りません。

おそらく、成果をあげるためのメンタリティは普遍性を持つものなのでしょう。だからこそ自己啓発書に書かれている内容はメンタリティのレベルではほぼ皆同じです。

しかし、具体的な方法論になってくると百火繚乱といった感じで、そこから普遍的なものを抽出するのは難しくなります。というより、成功というのは時代背景や偶発的要素が多分に含まれるので、個々の方法論が適用出来る場面は限られており、そもそもそこに普遍性を求めることが間違いなのでしょう。

一方で、失敗というのは成功に比べると再現性が高いのではないかと感じます。金融投資(特にFX)をはじめた個人投資家の大半が損を抱えるとか、起業した人のほとんどが10年続かないとか、世の中には失敗の方が多いと統計的にわかっている事柄が色々あります。

そんな失敗の数々から普遍的な「失敗哲学」を導き出して、それを避けるようにした方が、結果として成功に近くなるような気がするのです。商業的にはそんな本が出ても売れないのでしょうが…、、。

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