大事なのはプロセスなのか結果なのか。

思考

「政治は結果責任」と辞任の際に仰った総理大臣がいましたが、基本的には世の中は何でも結果責任です。そもそも自然界が弱肉強食ですし。

学校教育においては「がんばったね」とそのプロセスを評価してもらえることも多く、おそらくはプロセス重視にしたいと教育関係者は思っているのでしょうが、実質的にその集大成である受験と就活が結果がすべてであるのは少々皮肉です。

企業社会では業績という結果が求められるのは周知の事実。ただし、注意すべきは結果が出なければ問答無用でらく印を押されるのに対して、結果が出ている場合はプロセスにもチェックが入ります。いくら業績が良くても、社会通念上許容されないプロセスをとっていると結果は帳消しになることすらあります。

だからというわけではありませんが、プロセスは大事です。プロセスが悪ければ短期的には良い結果が出たとしても長期的にはマイナスになります。偶然を何度も起こすのは至難の業です。プロセスが良ければ継続的に良い結果を出すことが出来るでしょう。もちろん偶発的な事象に左右されることはあるでしょうが、良いプロセスはさながら金の卵を産むガチョウのようなものです。

さて、にもかかわらず世の中が結果責任で動くのはなぜでしょうか。弱いモノが食い殺されるわけではない現代の人間社会なのに、です。

一義的には、現代が資本主義で動いており、どうしても金銭換算しやすもので評価を決めてしまうという現実が要因。いくら稼いだか、はわかりやすいのですが、いくら稼げるプロセスか、はわかりにくいのです。企業買収ではそれをなんとか計測しようとしているようではありますが。

では、もっと多元的な要素で評価すべきではないか、という声はもっともです。先の総理大臣は政治家ですからもっと別な要素で評価すべきでしょう。しかし、あいにく人間は多次元を理解するのは不得手です。評価軸を3本、4本と増やしていくと理解が難しくなり合意形成が困難です。それは人間の理解力のみならず、評価軸が増えたときの重み付けに主観がはいってしまうからでもあります。GDPに変わる指標を探りつつもうまくいかないのも同じ理由かもしれません。

結局のところ、個々人においてはプロセスを重視すべきなのですが、他者から評価されるときには結果が必要だと言うことです。つまり両方必要という身もふたもない結論です。

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