I(情報)とT(技術) 先に来るのはI(情報)なのに。

IT

ITとは Information Technology の略で、日本語に訳すと情報技術です。情報を処理するための様々な「技術」を総称してITというわけです。

技術というのは、何かをするための手段として使われてはじめて価値がでます。そこに存在しているだけで価値を生み出すようなものではありません。

ITというのはInformation(情報)に適用する技術なので、元となる情報とそれによって何をしたいかによって適用すべき技術やその価値が決まります。新しい技術が出たからといって、それだけで何かが変わるわけではありません。

あくまでInformation(情報)ありき、で考えるべきなのです。しかしIT業界にはT(技術)の専門家はたくさんいますが、I(情報)の専門家はほぼ皆無です。最近はデータサイエンティストという職種が脚光をあびていますが、まだまだ一握りの存在です。「経営にITを」とIT業界の人間が言ってみたところで、経営に必要なI(情報)が何であって、経営者がどんなI(情報)を欲しているかや、新しくどんなI(情報)を提供すれば喜ばれるのかを知っている人間はほとんどいないということです。

それでもT(技術)を売ることを商売としているので、なにやらそれっぽい言葉をつくって、さもT(技術)によって何かが変わるように宣伝するわけです。そのために毎年生み出されるのがバズワードということになるでしょう。そして、T(技術)を導入したのに経営の役には立たなかったという事例が積み上がり、「ITは経営の役には立たない」などという話になるのです。

昨今の事例を見ていると、ITによってI(情報)をうまく活用している会社は、自社に必要なI(情報)を自分たちで知っていて、そのために必要なT(技術)を適切に選んでいるように見えます。T(技術)を売る側にのせられず、ちゃんとI(情報)のマネージメントから入っているのです。

逆に言うと、自社にI(情報)のマネージメントをできる人材がいない会社の方が多いのかもしれません。そもそもI(情報)の専門家という部分にはほとんど目が向けられていないというのが現実ではないでしょうか。

I(情報)の専門家を誰が担うのかは議論の余地はありますが、IT業界でもT(技術)の専門家だけでなく、I(情報)の専門家も適切に養成できたならば、もう少しまともな提案ができる業界になると思うのですが…。

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