思考がまとまらないときは、過冷却状態かもしれない。

ほぼエッセイ

人は朝起きてから寝るまでそれこそ無数のことを考えています。寝ているときでさえ脳は活動しているので、思考というのは四六時中回り続けているのでしょう。しかし、そのほとんどが曖昧模糊としたまま流れていきます。

ところで、水を冷却していくとその融点である0℃で凍るわけですが、非常にゆっくりと温度を下げていくと水の状態のまま0℃を下回る、過冷却という現象が起こります。そして、過冷却状態にある水に振動などの刺激が加わると急速に結晶化(=氷)します。

過冷却を利用したものとして「エコカイロ」などとよばれる、再利用可能なカイロがあります。ビニールの容器に硝酸ナトリウムス溶液と金属片が入っていて、金属片を押して刺激を与えると水溶液が凝固し始めるとともに凝固熱が発生するという仕組みです。

思考というのも頭の中をくるくる回っているときは液体のように流れていきます。しかし、そこに何らかの刺激が加わった瞬間に突如として一つの概念・考えとして凝固することがあります。

もしかすると、考えても思考がまとまらないときは、実は凝固点は過ぎているのに結晶化していないだけで、適切な刺激さえ加われば凝固するのかも知れません。

とはいえ、その刺激が何であるか分からないのが困りものではありますが…。

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