ビッグデータは利益の源泉ではない。井戸水にはなるかもしれない。

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源泉というのは「源泉(げんせん)とは、地中から水が湧き出てくる場所」です。(出典:Wikipedia

近年、世を賑わしているビッグデータ利益の源泉だと言うならば、データがそこにあるだけで利益がわき出てくると言うことです。ITを知っていようと知っていまいと、「そんなことあるわけない!」と思うのではないでしょうか。ただそこに存在しているだけで利益がわき出るのだとしたら一体なんのために人々は働いているのでしょう。そんなものなら、一家に一台ならぬ、一家に一データ群欲しいくらいです笑。

ビッグデータの名の下に、ベンダー各社は大量のデータを取り扱うためのハードやソフトを製品として販売しています。そして、さも製品を導入すれば利益が上がるかのようにPRしています。

しかし、前回(ITとはEnablerであってProviderではない。)のエントリにも書いたようにITは手段でしかありません。意図を持った人間が使って初めて価値が創出されるのです。

データは価値の「源泉」ではないので勝手に利益はわき上がってきませんし、単に製品(ハード/ソフト)を導入したからといってそれがわき上がってくるわけでもありません。ただし、製品を導入することはデータという地下水脈から意味のあるデータをくみ上げる手段にはなり得ます。

とはいえ、くみ上げる作業をするのは人間ですし、くみ上げたデータをどう活かすのかを決めるのも人間です。データは井戸水のように地下に溜まっているだけの存在なのです。

何らかの意図・仮説を持ってビッグデータを検証し、次の一手を決めるという人間にしか出来ないことを実現するための手段として、ITは存在しているに過ぎないのです。

 

ちなみに、ビッグデータとしばらく前に流行ったDWH(データウェアハウス)で何が違うんだと日頃思っていますが、くみ上げられる水脈の層がさらに深くなったのだと考えれば多少は納得がいく気はしますね。

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