すき家問題を生み出した遠因は消費者にもある?

評論

ある意味では話題沸騰中のすき家問題について。

すき家が閉店している画像が流れたのは、最初はTwitterだったようです。それがリツイートで拡散され、それを見て閉店する店舗が増え、さらにまとめサイトで拡散する。さながら「アラブの春」状態となりました。

表向きは「パワーアップ工事中」だったわけですが、ネット上ではまことしやかに原因は人手不足と言われ、半ば公然の秘密となっていきました。大手の既存メディアもこの問題を報じるようになり、ついにすき家(ゼンショー)側も人手不足であることを認めるに至りました。

増税のタイミングで値上げに踏み切った吉野家や松屋に対して、値下げを行ったすき家ですがそのツケ(の少なくとも一部)は店員が払わされているのでしょう。

今回の騒動を経営陣が現場を見誤ったと見る向きもあるようですが、値下げ圧力をかけ続けた我々消費者にも原因の一端はあるのかもしれません。牛丼の値段が変わる毎に牛丼各社の業績が変わっていたのは、消費者が「安い牛丼を」と無言のメッセージを送り続けていたともとれます。

確かに安いことは消費者にとってはうれしいことなのですが、消費者の安さへの要求に答えようと飲食店側が無理をして結果として店員に激務を強いてしまった側面は否めません。一方で、激務を強いる会社をブラック企業だと批判する声も近年高めてきました。過剰労働問題で店舗閉鎖に至ったワタミも同じ構図と考えられるでしょう。

直接的には経営サイドの労務管理に問題があったのは確かですが、もしかすると消費者が過剰な安さを求めモンスター化していたのでは?と考えてしまうのは筆者だけなのでしょうか。

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