■ 新しいことをはじめる際に
万全のリソースが存在することは
むしろ希です。
短い時間や小さなコスト、少ない人員で
スタートすることも多々あるでしょう。
そんなときに使われるのが
「スモールスタート」です。
■ そもそも新規のプロジェクトなど
成功するかどうかもわからない場合に
多大なリソースを投じるのは
投資というより投機です。
失敗する確率の方が高いのであれば
そのときの損失を最小限にするためにも
投入するリソースは小さくスモール
スタートとするのは理にかなっています。
それが、首尾よくいった場合に
うまく拡大できるのであればなにも
問題はありません。
■ IT投資などはお金がかかることも
多いので、最初は小さな規模で
スモールスタートという話は
多いのですが、
デメリットも当然あります。
いざ拡大するとなるとどうしても
複雑さが増してくるのです。
「徐々にスケールさせる」
といえば聞こえは良いですが、
現実には増築の繰り返しだったりします。
失敗するかもしれないから
スモールスタートというのであれば
後々の複雑さも仕方ないですが、
単なるイニシャルコストの削減目的で
スモールスタートするIT投資は少なく
ありません。
それが結果としてランニングコストを
上昇させるのだとしたら総所有コストは
むしろ高くつく可能性すらあります。
(とりあえず一番安い機種を買ったら
結局いろいろ買い足す羽目になった
というのはあるあるな光景でしょう)
投資する側もさせる側にも
「スモールスタート」
というのは響きがよすぎるので
要注意なのです。
■ なにもしないよりはスモールスタートで
はじめる方がよいでしょうが、
スモールスタートが適しているか
については一応気にとめた方がよさそうです。
今日の【まとめ】
■ 最初は小さな規模からはじめるのがスモールスタート
■ 少ないリソースではじめられるが拡大すると複雑に
■ スモールスタートが適切かどうか判断のうえで採用を
【IT論考β】 スモールスタートは複雑性とのトレードオフ。[#307]
