人間は意外と欲望に対して無自覚?

ほぼエッセイ

人間というのは不思議なもので、欲望があることは自覚しつつもその欲望が具体的になにであるかを案外把握していなかったりします。いわゆる三大欲求はともかくとして、それよりも高次の欲求となるとかなりあやふやです。

食欲とて場合によってはあやしいものです。定食屋さんの文字によるお品書きと、ファミリーレストランの写真付きのメニューではどちらが食欲をそそられるでしょうか? おそらく後者でしょう。

それは写真によって具体的な商品イメージが想起されることで欲求が高まるからではないでしょうか。逆に、お品書きの場合には自分の脳内でイメージ化する必要があるので、そこまで欲求が高まらないのでしょう。

あるいは、購買欲求というのも非常にあやふやな存在です。「衝動買い」という言葉がありますが、それはすなわち商品をみたから欲しくなったのであって、最初から欲しかったのではないということです。本当に衝動的なのか、潜在的な購買欲求が顕在化したのかという問いはあるものの、自らの欲求を的確には把握できていないという点では同じに思われます。

また、なぜこれだけAmazonが隆盛を誇っている時代に、大規模なリアル書店がそれなりの需要を維持しているのでしょうか? それは、リアル書店に足を運ぶ多くの人は欲しい書籍が決まっている指名買いとは限らないからでしょう。平積みという書店の提案によってはじめて自分の欲求に気付き購買へといたるのです。

人間というのは欲望にまみれた生き物だとは思っていましたが、考えるほどに欲望をコントロールできず、むしろ知らないうちにに支配されてしまっているようですね、、。

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