コミュニケーション能力に内包される能力

ほぼエッセイ

「大事なのはコミュニケーション能力」と言われ続けて何年がたつでしょうか。確かにコミュニケーション能力は生きていくためには必要不可欠ですが、かけ声ばかりが目につきます。

コミュニケーション能力とは何を指すのか定義が曖昧で、具体的になにが出来ればよいのか示されていることが非常に少ないように思います。何であるかの定義がなされないので、それを身につけるための方法論まで行き着かないケースも多い気がします。

果たして「コミュニケーション能力が大事」と言っている人のどれだけが、コミュニケーション能力がとは何かを具体的に表現出来るのでしょうか。もし出来ないとすればコミュニケーションを語ることに最初から躓いています。

どう定義づけるにしろ、それを言葉で表現する必要があります。つまり「コミュニケーション能力」という抽象的な概念を具体的に言語化するということです。人間はテレパシーを使えるわけではないので、脳内で考えた結果は言語化して外の世界に送り出すしかありません。感情ぐらいなら態度や表情で伝わりますが、その因果関係までは伝えることが出来ません。したがって言語化能力がコミュニケーション能力に内包されることは自明でしょう。

であるならば、コミュニケーション能力を強化するなら必然的に言語化能力も強化されなければならないはずです。もっとも、人間を人間たらしめている要素の一つが言語を使いこなせることだとも言われますから、言語化能力を磨くことは人間らしさをも磨くことなのかもしれません。

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