カリスマがいなくなった企業の未来。

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iPhone5を前回のエントリでかなり褒めましたが、気になるところがないかというとそうではありません。これまで明らかにユーザーエクスペリエンスを重要視していたAppleらしからぬ変更もあります。それがスティーブ・ジョブズ氏が亡くなったことと関係があるのかは不明ですが、ここではあえて関係あると仮定して考えてみます。

世の中でもかなり反響が大きいのはiOS6に搭載されているMap機能でしょう。これまでのGoogle mapからApple独自のMapに切り替わりました。このMapの完成度がお世辞にも高いとは言えません。Google Mapは街中で徒歩移動するときでも十分に機能しましたが、現状の新Map機能は徒歩移動するときに利用するのは心許なすぎます。

Androidを開発しているGoogleの提供する地図を利用するのを嫌うのは理解できますが、果たしてスティーブ・ジョブズ氏はこの完成度でも発売にゴーサインを出していたのでしょうか。昨年のiPhone4S発表時に、「実はiPhone5も開発はされていたがその完成度をジョブズ氏が認めなかったから発売が見送られた」という噂もあっただけに、今回の変更には疑問符がつきます。

過去にAppleは、iOSデバイスのSafariをAdobe Flash非対応とし、アプリにも同様の制限を課すというユーザーエクスペリエンスを下げるような行為を行ったことはあります。しかし、それはFlashがiOSの動作を不安定にする(とジョブズ氏は言っていた)からであり、デバイスの安定稼働を維持してユーザーエクスペリエンスを守るという目的だったと解釈できます。

しかるに今回のMap機能の変更は、Appleという企業の商業戦略的な側面が非常に大きいように感じます。もちろん、これがスティーブ・ジョブズ氏がいなくなったからなのかはわかりませんし、単なる考えすぎ(あるいはこじつけ)ということもあり得ます。しかし、もしかするとAppleという企業の転換点を象徴する出来事となるかもしれないとも考えられます。

その答えがわかるのはおそらく数年後でしょう。

カリスマが亡き後に衰退した企業は数多ありますが、Appleが暗黒時代の再来を迎え、そしてそれが永遠のものにならなければよいのですが。

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