電子書籍は発展するのか。〜日本ではあと10年はかかるのでは?〜

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楽天の電子書籍端末が発売されたようですね。かなり戦略的な価格なので、おそらくハード単体では赤字なのでしょう。コンテンツで設けるというビジネスモデルなのでしょう。今日はそんな電子書籍を考えてみます。

 

数年前にも電子書籍元年などといわれましたが、結局普及しませんでした。ガラパゴスと名付けられた端末はガラパゴスになる以前に消えてしまいましたし、SonyのReaderも話題にはのぼりません。原因は圧倒的なコンテンツの不足にあるといわれています。書籍に比べてラインナップが不足している上に、新刊本が買えないとなれば電子書籍のメリットは薄れます。

 

筆者は電子書籍が日本で当たり前に普及するには10年かかると考えています。その根拠は音楽が電子的に流通するのが当たり前になるのにそれぐらいかかったからです。音楽をデジタルプレイヤーで聞くことが流行りだした頃、レーベルは「著作権保護」を名目にCCCDを投入しました。CCCDはその後撤廃されますが、DRMを使ってコピーを制限するようになりました。「著作権保護」は確かに重要なのですが、利用者の利便性を損なうような手法を導入することが果たして関係者全員の利益になるのでしょうか?

DRMによって海賊版の被害がなくなるかについては、いまなお賛否両論あります。したがってDRMの有効性については触れませんが、少なくとも法で許された範囲内でコンテンツを楽しむ利用者にも不便を強いるのは事実です。

音楽の世界では徐々にDRMが廃止される方向にあります。利用者本位で考えればごく自然の流れだと筆者は思います。そして、ここまでくるのに約10年かかりました。

これが、筆者が電子書籍の完全な普及に10年かかるという根拠です。電子書籍のフォーマット自体はそれほど多くはありませんが、おそらく販売経路によって別な形式のDRMが導入されて、当面は利用者の利便性は損なわれると予想されます。その制限が緩和されるには、電子書籍という存在があまりにも大きくなり、下手に利用者の利便性を制限することが販売側の不利益にしかならない状態まで普及することが必要でしょう。音楽業界の例を見ると、そこまでたどり着くのに約10年というのが筆者の見方です。

期待できる選択肢は、Amazonという黒船の破壊力でそれが早まるということでしょうか。

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