ストックよりフロー。つまり、欲しくば先に手放すこと。

ほぼエッセイ

「金は天下の回りもの」ということわざがありますが、収入があれば貯蓄して回らぬようにしている人も多い昨今です。将来が不安だから蓄財に走るという構図ですが、果たしてそれが良い選択肢なのかどうか。

この話は結局のところ、ストックなのかフローなのか、という話に行き着きます。なんとなくストックが多い方がいいような気がしますが、それはストックが目に見えやすく、フローが目に見にくいからでしょう。

お金とは手段であり、使って始めて意味があるものです。つまり、フローとなった瞬間に意味を持ちます。であるならば、大量の金銭的フローがあるということは、なにがしかの価値が大量に流れているともとれます。もちろん、価値がうまく金銭と結びついていればですが。

お金をストックとして置いておくだけでは、そこに価値は生まれません。銀行に置いておけば若干の利子は付くかもしれませんが、それとて銀行が貸し出しをするなど、フローに回した結果として得られるものです。まったくフローとならないタンス預金ならば利子はつきません。

となると、いかにフローとして回す量が増やせるかが重要です。ここにおいてポイントとなるのは、いわゆる資産家であるかどうかではありません。積極的にお金を手放すことができるかです。フローとして回すならば、入ってきたものや持っているものを手放す必要があるからです。

しかし、手放すと瞬間的には失うことと等しいので恐れをともないます。もしかすると放出した分以下しか流入してこない可能性も十分にあります。それゆえ、フローとせずにストックに走りたくなるのです。大きなフローを発生させるには、その恐怖をいかに克服するかがより本質的な課題です。

この恐怖を克服し、先に手放した者にだけ、放出した分を大幅に上回る流入が見込めるのです。非常に逆説的ですが、欲しいのならば手放すのが正しい選択というわけです。

おそらく、この考え方は色々なものに適用可能でしょう。

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