なにかを得ようと思うなら先に手放す勇気が必要で。

ほぼエッセイ

投資の世界に「ノーフリーランチ(タダ飯はない)」という言葉があります。リスクのないところにリターンは存在しないという意味ですが、よくよく考えてみるとそれはなにも投資に限った話ではありません。

金融投資の場合、なんらかの投資対象にお金(現金)を投下することになります。つまり、最初にお金を手放しているのです。手放したお金は増えて戻ってくるかもしれないし、下手をするとまったく戻ってこないかもしれません。その確率はどの程度のリスクをとっているかに依存します。とはいえ、リスクの比較的低い債券のような投資対象であっても、値動きの荒い新興国株式であっても、先にお金を手放すという冒険をしていることに変わりはありません。

ひるがえって、世の中一般ではどうでしょうか。

何かを学ぼうと思ったならば、先にお金や時間を投じる必要があります。教育サービスを受けるにせよ、本を買って独学するにせよ、お金は先に出ていきます。あるいは、図書館で本を借りて勉強したり、幸運にも先人から無償で教えを請えたとしても、時間というリソースを投下することに変わりはありません。もちろんリソースを投下したところで本当に身になるのかどうかは先には分かりません。しかし、だからといってリソースの投下を躊躇していては一向に学ぶことはできません。

したがって、学ぶという局面においても、多少のリスクをとって先にリソースを投下する覚悟が必要と言うことです。

これは何も学びに限ったことではなく、誰かと遊ぶにしても、買い物をするにしても、なにかを食べるにしても、先にお金や時間、手間といったものを投下してはじめて求めていた結果が得られる(かもしれない)のです。

何事も先に手放す勇気が必要、ということですね。

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