■ IT業界ではとてもよく聞くものの
世間ではあまり使われない言い回しに
「運用でカバーする」
というのがあります。
具体的には、IT機器・ソフトに
所望の機能が存在しない場合に
人間がそれを手動で行うことを
意味するケースが大半です。
コンピュータで処理できない場合に
現場の頑張りで何とかすること
と言ってもよいでしょう…。
■ さて、上記の運用でカバーという
言い回し自体はIT業界特有ですが、
制度や仕組みの問題を現場の頑張り
でカバーするというのはよくある
構図です。
ここで注目すべきは、
世の中には問題のある制度が多い…
ということではなく
現場での対応(=運用)の持つ
柔軟性の方です。
制度や仕組みを作るときに
その内容は議論になりますが
それをどう運用していくかが
議論されることは多くありません。
それゆえ、欠陥のある制度を
現場がなんとか工夫して対処
することもあれば、
その逆にせっかく作られた仕組みが
現場の取り組み方で骨抜きにされる
ということも起こり得ます。
規模の大小こそあれ
ルールを都合のよいように
拡大(縮小)解釈はあちこちで
行われているのが現実でしょう。
制度や仕組みを作る時間に比べ
それを運用(利用)する期間は
はるかに長いのが一般的です。
したがって、本当はどう運用するか?
現場がどう利用しそうか?の検討こそ
時間をかけるべきだと思うのです。
(残念ながら極めて地味ですが…)
■ そこまで考えておかないと
良くも悪くも当初の理想から
かけ離れた姿になってしまうのです、、。
今日の【まとめ】
■ 運用でカバーするとは人間が頑張ること
■ 現場の頑張りが支える制度や仕組みは多い
■ 仕組み作りの際には運用にこそ焦点を
【IT論考β】 「運用」でカバーするってどういうこと?[#383]
