次に来るのは物流のラストワンマイル問題?

ほぼエッセイ

ユーザに通信接続を提供する最終工程を「ラストワンマイル」と呼ぶことがあります。ブロードバンド回線がこれだけ普及した今となっては聞くことも少なくなりましたが、ネットの普及期にはちょくちょく聞かれた単語です。

幹線となる通信ネットワークから、各住宅に回線を引き込むのには大きなコストがかかります。扇状に広がる数多くのケーブルを敷設・維持しなければ行けないからです。それゆえ、通信事業者のもつ幹線ネットワークからのラストワンマイルがネックとなるのです。

日本では、既設の電話線を流用できるADSLをYahoo!BBが中心となって広めたことが起爆剤となり、ブロードバンド回線が急速に普及しました。いまではFTTHとよばれる光ファイバーをつかった通信も普及し、日本のブロードバンド回線普及率は世界的に見ても上位となっています。

さて、このラストワンマイル問題ですが、こんどは物流の世界では起きるのではないかと考えています。あるいは、すでにおきつつあるのかも知れません。

物流にも、幹線となる物流網が存在していて、そこから個々のユーザまでのラストワンマイルは郵便局や民間の宅配便業者が担っています。その意味ではすでにラストワンマイル問題は解決されているともいえるのですが、近年はこのラストワンマイルを通るモノの量が増えていることは容易に想像が付きます。

今までであれば、買い物というのは各々の消費者がスーパーなりコンビニなり、拠点となる場所まで行き、買って帰っていました。つまりラストワンマイルは自分で運んでいたのです。よって、物流網としては店舗までの整備されていれば事足りたのです。

ところが、通信販売の伸びと共にこのラストワンマイルを宅配業者担うことが増えてきました。消費者とすれば、自分でモノを運ぶ必要がなくなり、しかも値段も安かったりするので大助かりです。一方で、一部では配達するための人手が足りないなどということも起きているようです。

共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化も手伝って、昼間に在宅しないケースも多いことから、再配達にかかるコストはばかにならないはずです。それを見越してか、アマゾンが大型の郵便受けを開発したようですが、いかんせんお値段が高く不評です。

とはいえ、まだまだラストワンマイルを通過するモノの量は増えるでしょうから、滞りなくモノがラストワンマイルを通過できるよう、これから色々な試みが行われていくのではないでしょうか。

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