みんな大好きMS Excelの話を続けます。
Excelの初心者から脱しようというときにかなりの罹患率を誇る病があります。それは、「ドキュメントオールExcel化症候群」です。
症状は表などの罫線が必要なドキュメントにExcelを使い出すあたりから発症します。徐々にExcelで作るドキュメントの比率が増えていき、Excelのセルが方眼になるように、縦と横の比率をそろえたものをテンプレートととして使い出すともはや抜け出すのは容易ではありません。
末期症状になると、PCにはExcelとメーラとブラウザがあればOKという領域に達します。
確かにWordは日本人が文章を書くには必ずしも使いやすい作りになっているとはいえないですが、表計算ソフトという領域を完全に飛び越えて、ひとつの関数も数式も使われていないExcelドキュメントをみると疑念を感じざるを得ません。画面表示と印刷でレイアウトが変わってしまう非常に困った仕様があるにも関わらず圧倒的なシェアを誇る職場が日本には多数あることでしょう。
そんなにイヤならWordにでもコンバートすればいいじゃないか?と思われる方もいるでしょう。しかし、これが不可能なケースがあるのです。なんと、Excelにはドキュメントを三次元で作る機能がデフォルトで備えているのです。
Wordであれ、PowerPointであれ、ドキュメントは通常二次元です。画面左上を原点とするなばら、x軸は紙の幅が限界値です。y軸は、ページを重ねることでほぼ無限大に増やしていくことが可能です。
Excelの場合には、x軸も実質的に問題にならないほど伸ばすことができます。もちろん、y軸はx軸以上に伸ばしていくことができます。そして、特筆すべきはz軸が存在するのです。シートという概念がそれを可能にします。シートを何枚も重ねることで三次元になるのです。
文字が飛び出るわけでも、グラフが3Dに見えるわけでもないので、その意味では三次元とはいえないという意見もあるかもしれません。しかし、x,y,z軸をフルに活用したドキュメントが同じような再現性ではWordやPowerPointで実現出来ないので、やはり次元が違うと考えざるを得ないのです。
もし、Excelをドキュメント作成ソフトとして使い出した人がこの三次元性に着目して採用したのであれば、その先見性というか才能には目を見張るものがあります。
ぜひ、MS社には三次元ドキュメントが書けるWordを開発していただきたいものです。