記憶と記録の自動階層化。

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「学生は覚えるためにノートを書く。社会人は忘れるためにノートに書く。」
これは、昔読んだ本に書いてあった一節です。出典は残念ながら忘れました。最近は、この言葉の意味を実感しています。

社会人になると、やるべき事を覚えきれなくなります。やるべき事が増えていることが原因なのか、あるいはその数自体は増えていないが内容が多岐にわたり一貫性に乏しいため覚えきれないからなのか。単に記憶力が落ちているという可能性もあります。
いずれにしても、短期記憶のメモリ容量は人によらず7±2だということです。つまり、5~9個の内容しか、短期記憶に蓄えておくことは出来ません。電話番号の桁数がこれを超えると間違い電話の数が増えるのは有名な話ですし、ハイフンなどで区切りをいれることで数桁ずつを塊としてとらえることが、1個の量を増やすことになり、ある程度対応されてもいます。
残念ながら脳内のメモリは、半導体メモリのように18ヶ月ごとに容量が2倍になったりはしないので、別な場所に保存しておく必要があるのです。それが多くの場合はメモという解決策になります。脳内メモリの情報をノートにスワップアウトするということは、時間がかかるためPCにおけるそれと同じように大きなタイムロスにはなります。しかし、脳内メモリはPCと違い電源を入れているつもりでもどんどん揮発していきます(PC内のメモリはリフレッシュという動作で定期的に覚え直しているから忘れないだけですが)。だからどんどんスワップアウトし、さらに長期保存すべき情報はHDDたる別な場所に記録しておくべきでしょう。

問題は、その階層構造をどう制御するかです。近年の計算機の世界では重要でよく使われる情報ほど早く取り出せる場所におき、そうではないものを時間がかかる場所におくという作業を自動化する「自動階層化」の機能が進化していますが、人間の記憶と記録においても自動階層化機能が欲しいところです。

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