【IT論考β】 ほぼ自動と全自動の大いなる谷。[#397]

IT

■ そのむかし、洗濯機は主婦の
  三種の神器だったわけですが、
  
  当時のそれは全自動からは
  ほど遠い姿でした。
  
  
  初期の頃は脱水槽もなく
  洗濯のみだったようですし、

  その後も二槽式の時代が
  しばらく続きました。
  
  
  それでも、手作業で洗うのに
  比べれば圧倒的に楽だったからこそ
  
  神器とまで呼ばれるように
  なったのでしょう。
  
  
■ この事例は物事の自動化を
  考える際には参考になります。
  
  
  まず一つに、全自動をいきなり
  狙うのはかなり大変だという事です。
  
  全自動洗濯機の登場し、普及したのは
  かなり後年になってからです。
  
  技術的にも難易度は高いですし
  構造も複雑なことから、
  
  洗濯単体で見たときの効率や
  耐久性などは全自動が劣るでしょう。
  
  
  二槽式との違いは、
  洗濯からすすぎ、すすぎから脱水
  
  という段階移行に人手が必要か
  どうかという点です。
  
  とはいえ、洗濯に必要な作業は
  ほとんど機械が行ってくれます。
  
  
  つまり、一手間かかるものの
  半自動の威力は強大であり、
  
  それだけでも十分に狙う価値が
  あるということです。
  
  
  もう一つは、大変ではあるものの
  全自動が実現すると時間的自由が
  得られるということです。
  
  二槽式で洗濯をするには
  多少なりとも洗濯機の前に
  いなければなりません。
  
  したがって、タイマー予約で
  無人実行というのは不可能です。
  
  
  一方で全自動洗濯機ならば
  いつでも行えるうえ、
  
  その時間はすべて自由に使う
  ことができます。
  
  外出するも昼寝するも自由です。
  
  
  一手間がなくなるおかげで
  かなりまとまった時間が自由に
  なるのです。
  
  
  労力削減という観点では全自動化は
  メリットが少ないですが、
  
  時間制約からの解放という点では
  相当のメリットがあるのです。
  
  
■ 一手間が隔てるほぼ自動と
  全自動には、
  
  かなり大きな差があるという
  ことです。
  
  
  そして、これはITを活用して
  自動化を図る際にもおおむね
  同じなのです。
 

 今日の【まとめ】
 ■ 一手間が必要なほぼ自動でも効果は絶大
 ■ 全自動は労力よりも時間面でのメリット
 ■ ほぼ自動と全自動の差はIT化でもほぼ同様

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