【IT論考β】 飽食の時代ならぬ飽情報の時代?[#329]

IT

■ 現代の日本で食べ物に困るという事態は
  そうそう起きることはなくなりました。
  (少なくとも数十年前に比べたら)
  
  むしろ、日々大量の食品が廃棄される
  現実があるわけで、飽食の時代などと
  言われたりもします。
  
  20世紀(後半)を経て物質的に満たされる
  ようになったといえるでしょう。
  
  
■ では、21世紀はどうか?

  物質的な存在ではない「情報」に満たされる
  時代がやってきたのではないでしょうか。
  
  「情報化社会」の到来が予見されたのは
  1960年代のようですが、
  
  実際に流通する情報が倍々ゲームで増える
  ようになったのは2000年ごろからです。
  
  
  いましばらくは情報爆発が続くと予想されており
  今後ますます情報に溺れる人が増えるのは確実です。
  
  
  様々な情報が手に入るようになったことで
  行動における選択肢というのも増えました。
  
  
  例えば、おいしい食事をしたい思ったら
  昔なら友人・知人に聞いた口コミで行った
  でしょうが、
  
  いまなら食べログなどで圧倒的な量の口コミ
  を元に選択をすることでしょう。
  
  
  これはより大局的な人生そのものについても
  同様のことが言えます。
  
  
  昔に比べれば圧倒的に多い選択肢が検討対象
  にのぼるようになりました。
  
  選択肢が増えることはもちろん望ましい
  ことではあります。
  
  
  ただ一方で、選択肢が増えるほどに人間は
  決められなくなることも知られています。
  (様々な実験が行われいるようです)
    
  決めたとしても選ばれずに実行しなかった
  大量の選択肢というのは後悔のモトになるかも
  しれません。
  (人間はしなかったことを後悔するとも
   言われていますから)
   
   
  下手をすると情報化社会の到来によって
  むしろ満足感が減少する可能性もありそうです。
  
  なんとも皮肉なことです。
  
  
  ひとつ言えるのは情報爆発がはじまったのは
  ITが世間で広く使われるようになった頃と一致し
  
  おそらくはそれによって情報が大量に生成
  されるようになったということです。
  
  そして、それらが玉石混交であることは
  間違いありません。
    
  
■ ITを活用して便利さを享受しつつも
  ITの力で安直に増やされた情報には
  振り回されないようにするのが
  極めて重要になっていきそうですね。

 今日の【まとめ】
 ■ 21世紀に入りITの力で情報量は爆発的に増加した
 ■ 選択肢(=情報)が増えた結果、選べなくなることも
 ■ 増大する情報に下手に近づき溺れてしまわぬよう

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