デジタルとアナログの融合にむけて

IT

当blogでは「デジタル・アナログ」の二項対立でエントリを仕立てていますが、最後はアナログに帰着させることがほとんどです。先日も、意外と進まないデジタルへの転換。 というエントリを書きましたが、@ITに次のようなニュースがありました。

「紙」をなくすことはできなかった――Evernote CEO が語る - @IT

記事の中で、EvernoteのCEOであるフィル・リービン氏は次のように述べています。

Evernoteにとって、紙とペンというのは一番大きなライバルであった。私は、どうすればこの、『紙とペン』に勝つことができるのか、とかつて考えていた。しかし、ここに挑むのは、大変に厳しいものだった。なぜならば、Evernoteというソフトを提供している社長の私でさえ、いつも紙とペンを使っていたからだ。それは、なぜか。なぜ、人々は紙とペンから完全に解放されないのか。答えは、紙とペンでの体験が、あまりにも美しいからである

記事ではその一例として「サイン」があげられています。サインは書くたびにわずかならが違いが出ます。有名人ならほとんど寸分違わぬサインを書くのでしょうが、それでも紙とペンの関係で微妙に違う出来になるはずです。

紙とペンで書くというのはもちろんアナログな行為です。そしてEvernoteはデジタルな世界で実現されています。そのEvernoteのCEOが、やはり紙はなくせなかったというからには、やはりアナログでしか表現出来ない何かがあるのは間違いなさそうです。

そして、アナログにしかない良さがあるのであればデジタルと融合させてしまおうというのが、同氏のコンセプトです。

Evernoteに限らず、スマートデバイス向けの様々なアプリでデジタルとアナログの融合への挑戦が行われています。ショットノートもその一例でしょうし、スマートデバイスに手書きをするメモアプリも相当数にのぼります。これらの試みは緒についたかどうかの段階で、まだデジタルとアナログの融合が達成されたとまでは言えないでしょう。

おそらく技術的にひとつの鍵となるのは手書き文字の認識率向上でしょう。コンピュータへの入力方法としてキーボードよりも手書きが優勢にたつほどになれば、デジタルとアナログが融合された世界はかなり開けてくるのではないでしょうか。

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