抽象思考能力とコミュニケーション能力。

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抽象的な話をしているときに、コミュニケーション能力がある人の脳内でなにが起きているかについて友人が意見をくれました。それに絡めてエントリを一本。

(本日エントリは友人K氏にインスピレーションをいただきました。感謝)

 

大方の人間というのは抽象概念よりも具体・個別な事象のほうが簡単に理解できます。一方で、抽象化(一般化)されていたほうが汎用性もありますし、思考スピードや論理展開も加速できます。

この事実は中学や高校の数学の授業が好例でしょう。新しい単元(章)に入ると、まずは具体的な例が教科書には載っていますし、授業でも具体的な例がでてくるはずです。そして、それを一般化した結果である公式の証明を教えられて、例題をといて学習します。一通り身につくと応用問題として過去に習った単元の考え方などもからめた問題を学習します。

なにしろ、高校数学ぐらいまでは世の中の目に見える具体的な事象を学問として解き明かす課程で生まれたものですからあたりまえといえば当たり前です。大学の数学になると公理からスタートした厳密な数学があったりするので、抽象だらけということがでてきますが。

 

いままでに触れたことのない抽象論を学ぶときにも、必ず具体例やほぼ相似な既存概念が比喩的にもちいられます。この際によく使われるのが図です。別な言い方をすると視覚的イメージです。これを実際に書いてみるのか脳内で想像するだけ済むのかが抽象思考能力の高低だと筆者は考えています。抽象思考能力が高い人は抽象的な話をされたときにほとんど無意識のうちに脳内に視覚的イメージを描き出します。このイメージがうまく出てこないときはたいてい話がうまく進みません。あるいは、話者と聴者の間で描き出しているイメージにあまりにも差異があると、誤解が生じます。

したがって、抽象的な話をするときに誤解を招きたくなければ実際に図に落とす方が安全です。ただし、その分時間はかかりますが。

抽象思考能力が高く、論理的思考能力も高い人の場合は論理的に話が進んでいる限りにおいては図に落とさなくとも大きく誤解されることはないので、抽象的な話を抽象的なまま話してもたいてい通じます。ここにもコミュニケーション能力の一端を垣間見ることができましょう。

 

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