Amazonと楽天の違い。

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前回の「Amazonが他のネット企業と違う点。」というエントリで、

楽天とAmazonが比較されることも多いですが、両者はその出自たる業態が違うので一概に比較対象になるとは言えないと筆者は考えています。

と言及したので、その違いというのを一応紹介しておきます。


現在はかなりにている部分もある両者ですが、もともとの形態が違います。

Amazonは自社で在庫を抱え、Web上に店舗を構え、注文を受け、発送をしています。配送については宅配事業を行っている企業に委託していますが、そこまではAmazonが行っています。小売り事業者がそのままネット上に移転したと思えばそう違いはありません。

この形態では自社で在庫を持つので物流拠点が必要です。Amazonではこの拠点をFCとよんでいますが、この物流拠点におけるオペレーションをいかに効率化するか、というのが利益に直接影響します。当然、設備投資も必要ですが、規模が大きくなるほどスケールメリットが出てきます。拠点を増やせば消費者のより近くから発送することが出来ますし、発送する荷物の量が増えれば配送業者は相当のディスカウントをすることが出来るでしょう。


一方の楽天は、「モール」と呼ばれる仮想の商店街をWeb上に作って、商店街に出店する店舗(いわばテナント)を誘致して楽天市場という仮想商店街を作り出しています。ここにおける楽天の役割はいわば商店街を開発するデベロッパーのようなもので、自らが在庫をもって商品を販売しているわけではありません。

したがって、消費者は出店されている各商店(テナント)から商品を買うので、その商店がリアル世界ではどこに拠点を構えていてどのようにオペレーションをしているかで届くまでの時間や対応も違います。各商店ではスケールメリットをAmazonのように出すことは難しいですから、小口でも配送料無料というわけにはいきません。その代わり、多種多様な商店があるので総合的にみれば品揃えはよいということになります。


最近はどちらも互いのいいとこ取りをしようといろいろ施策を打っていますので、Amazonでも他の企業が出店していますし、楽天が物流拠点を用意したりもしているので昔ほどには差はなくなりました。


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