組織とチームは違うと思うよ。

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就活したころに、「企業ではチームで仕事をする力が求められます」というようなことをどこの企業のパンフや選考でも言われていたような気がするのですが、非常に違和感があります。就活生の注目を浴びるような企業はまごう事なき「組織」です。したがって、「組織」で仕事をするのが大前提です。というわけで、「組織」と「チーム」の違いを考えます。

 

「組織」と「チーム」の違い。それは端的に言えば、先に枠があるのかどうか?です。

「組織」とは先に枠組みがあります。そして、その枠組みの中に人材を投入していくのです。

なぜ、先に枠組みが必要か?

それは、投入される人材の個性にかかわらず一定の品質のアウトプットが欲しいからです。最たる例はお役所です。お役所の組織形態や仕事の内容は法律によって規定されています。暴走や民業圧迫を防ぐという意味もあるでしょうが、役所という存在を考えたときに、定常的におなじアウトプットを出してもらう必要があります。

「今年はいい感じで犯人逮捕できたよねぇ〜」とか「今年は不調で結構、消火活動に手間取ったわぁ」なんていう警察や消防署があっては困るわけです。

企業も大きくなるほど組織的になるのが通常です。したがって、社員ひとりひとりの能力にかかわらず、一定の業績を上げ続けるための仕組みとしての枠組みが作られるのです。

 

チームは、人間が先に来ます。そして、集まった人間同士が能力を相互補完して目標達成に動くのです。

集団スポーツを考えてみましょう。

監督というのは、チームに所属している選手をどうポジショニングしたら勝ちが近くなるのか?あるいは、いまのチームの選手で戦うにはどんな戦術が有効なのか?を考えて試合に選手を投入するわけです。いまいる選手の能力の和を最大限発揮させるための枠組みを後から考えるわけです。当然、チームプレイでは選手が替わってしまえば枠組みを変える必要も出ますから成果=勝率は人によって変化します。特に多くのスポーツチームでは「エース」と呼ばれるハイパフォーマンスな選手がいますから、エースがいなくなったときにはチームの戦力は大きくダウンすることがあります。

ここに、アウトプットの面における組織との違いが現れます。

なお、スポーツでも「組織プレイ」というのがありますが、これは「戦術」や「作戦」という枠組みが先に決められて、選手がそれに合わせるという形態になるかと思います。安定した成果=勝率を上げようとすればこその組織プレイです。

 

このように、組織とチームには違いがあるので、冒頭の「企業ではチームで仕事をする力が求められる」というのはある種矛盾しているのです。もちろん、企業であっても意図的にチームとして個々の能力を組み合わせるという意図をもって言っているのならよいですが。

続編(エースが組織にいたら、そんな組織はおかしい。 – SE論考

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