本日はITproのこちらの記事を。
記事によると、
「受託ソフト開発会社は生き残れない。当社だって、変わらなければ生き残れない」。NTTデータの山下徹社長は2012年5月21日、野村総合研究所(NRI)と共催した「ITと新社会デザインフォーラム2012」の記者会見で、こんな爆弾発言をした。
とのこと。
受託ソフト開発会社というのが、筆者が日頃SIerと呼んでいるものと同義と捉えて良いのかは不明ですが、NTTデータが非ベンダー系SIerとしても業界最大手であることは間違いないので、基本的にはSIerという業態と捉えても問題ないと解釈します。
高収益・高給で有名なNRIでも、
NRIの藤沼彰久会長もITと新社会デザインフォーラムで、「ITゼネコンがじり貧になる」とし、多重下請け構造の崩壊を予想する。
と述べるなど、かなり厳しいことばが並んでいます。
SIerの未来への疑問はこのblogでも提起はしているものの、業界の大手を率いる二人の発言は重いですね。
日本の大手SIerのほとんどは親会社をもっています。親会社を持たない独立系と呼ばれるSIerは生き残りをかけて合併・再編が繰り返されているのが実情です。これは、ビジネスモデルとしてはすでにじり貧であり、親会社からの資金や仕事がないともはや単独で生き残ることが難しくなっていることを意味しているのでしょう。
IT関連支出の過半が現状のシステム維持に使われている現状を考えれば、ユーザ企業側もITコストの負担を年々重荷と感じているでしょう。そうなると、新規案件の獲得やプロジェクトの収益管理に拘泥するだけでは、SIerは長期的に生き残っていくことはできないでしょう。
SaaSのようなサービス型のシステムが広がるほどに、業界自体は縮小するでしょうから将来的にはSEの数が激減するのかもしれません。7kとも13kともいわれたSEという存在自体が過去のものになるのでしょうか…。