支出はTCOベースで検討せよ。

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TCO(Total Cost of Ownership)とは日本語で総保有コストと訳され、ある設備などの資産に関する購入から廃棄までに必要な時間と支出の総計を指します。

TCOという概念は、単語としてはぼちぼち普及してきたかなという印象はありますが、人々がそれをどこまで意識しているのかはまだまだ疑問が残ります。

卑近な例を挙げるならば、昨日の記事の携帯電話などは非常に好例です。最近は、「○万円キャッシュバック! 実質負担0円!」などという売り方をよく見かけますが、TCOを考えないと簡単にはまります。イニシャルコストは非常に低額かあるいはマイナス(=儲かる)ケースすらありますが、世の中そんなにうまい話があるわけがありません。スマートフォンであれば実質的な2年契約でパケット定額が必須だったりしますから月々の通信料が5千円だとしても24ヶ月で12万円です。この金額とキャッシュバック等々を相殺した上で、2年間の時間的拘束がつくところまで含めてはたしてその支出は得なのかを考える必要があります。

上記は、個人の例ですが企業でも当然同じ事です(むしろTCOは企業で注目されているようですが)。もちろん情報システムの導入も含みます。
イニシャルの導入費用は誰しもが目の行くところなので、買う側も売る側もかなり意識して交渉しているようですが、システムの保守料金となると段々トーンダウンするように思います。さらに、システムの運用に関わる人件費や光熱費などまで含んでくるとあらかじめ算定するのが難しいことも手伝ってほとんど検討されていていないように感じられます。
投資対効果を考えることには皆さん熱心なので、どれだけの効果があって何年で投資が回収できるかという計算は行われますが、その際にTCOで考えられているケースは滅多にお目にかかりません。
競合製品同士をTCOで比較しているケースは見かけるのですが、そういう場合は機会損失などという算定根拠が怪しいコストが含まれていたりして、結局あまり意味の無い比較になっていたりします。それがTCOで考えることが普及しない理由だとしたら残念ですが。

TCOを考えることで企業も個人も有効なお金を使い方が出来ると思うのですが。

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