お金とインセンティブの関係を考えてみる。

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お金がインセンティブとなるかどうかというのが本日のテーマです。

 

筆者なりの結論を先にいってしまうと、人はお金で動くとは限ずプラスのインセンティブとしてもマイナスのインセンティブとしても機能する、というものです。

人間というのは自分の行う行動に労力が伴うほどなんらかの見返りを求めるものだと思います。その見返りというのはなにも金銭には限らず、自己の満足感である場合もあれば他者からの感謝や賞賛、あるいは名誉だったりと時と場合によって変わります。

ドラッカー氏は非営利組織でこそ適切な人事・評価が必要であるという主張をしています。これは非営利組織では当人の貢献に対して金銭で報いることはできないことに起因すると筆者は考えています。ボランティア精神旺盛な人であっても、さすがに宮沢賢治のように「みんなにでくの坊とよばれ ほめられもせず」でよいというほど献身的な人はそう多くはないでしょう。したがって、自己承認欲求が満たされるようななにかは必要でしょう。

逆に言うと、自己承認欲求が満たされるような状況であれば人は金銭的な報酬がなくても動くわけです。したがって何らかの行動に対するインセンティブとして、金銭は必須ではありません。インセンティブの要素の一つとして機能するという程度です。

労働市場ではどうでしょうか。労働者は労働の対価として金銭を授受するというのが現代の労働者です。労働力を売り買いするというのが労働市場と素直に考えれば、価値ある労働や難しい労働、大変な労働ほど高い値がつくはずです。つまり給料が高くなります。簡単な仕事や労働者の供給過多な仕事は安値になり、給料は安くなります。ある意味ではその通りなのですが、そこで人間が想定どおりの動きをするかというとそれほど単純ではありません。難しい仕事でも金銭以外の部分で労働者が満たされる場合には案外安い給料でも働くこともあるでしょう。逆にいくらお金を払われてもやりたくないという労働者もいるでしょう。もちろん労働者が生きていけるだけの報酬は支払われないとストライキがおきますが。とはいえ、必ずしも金銭が主たるインセンティブ要素になるとは限らないということになります。

企業は資本主義経済という金銭的なインセンティブに左右される世界にさらされています。その一方で、企業に所属する労働者は必ずしも金銭に左右されないというのは企業という組織のマネジメントの難しさを示唆しているのかもしれません。

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