入力と出力の間で生まれるノウハウ。そしてデジタルとアナログ。

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ノウハウって何よ?というのを考えてみます。

 

システムに限らず、何らかの成果=アウトプット=出力を必要とするならば、人・モノ・金・情報など何らかのリソースを入力として投入する必要があります。そして、投入されたリソースになんらかの加工を施すことで出力とするわけです。

 

企業であればリソースの投入から、成果を得るまでにかかるコストをいかに最小化するか?そして出てくる成果をいかに大きくするか?が重要でしょう。それが利益の源泉となるのですから。そのために用いられるのがノウハウ(=営業秘密)であるのではないかと。

 

では、ノウハウはどうやって生まれるのでしょう?

ノウハウは入力から出力を生成する過程での試行錯誤からしか生まれないのではないか?最近、筆者はそのように考えています。何かを求めて試行錯誤を繰り返して成果を得る。実際にやってみることで初めて、何がポイントとなり、どこに気をつけるべきなのかが分かる。それがノウハウです。そういったものは、どんなに知識だけを学んでも、情報だけを仕入れても分からないものです。

例えば、カタログスペックを比較して家電製品を買ってみたところで、カタログには現れない使用感まではわかりません。だから、買ってみたら思っていたのとは違った、ということが往々にして起こります。

上記は非常に卑近な例ですが、日本経済の競争力の源泉は職人芸と呼ばれるようなノウハウの塊にあったのではなかろうか、と。職人芸というのは、言語化しようのないノウハウが人間と一体となって織りなす芸当です。伝統工芸というものがたくさんあり、数千年前からの文化をもつ日本人はそういったものに蓄積し続けてきたのでしょう。そして、それにより感覚が研ぎ澄まされた。

元来、世界はアナログです。アナログな世界は連続値の世界ですから、どこまで感覚を研ぎ澄ませられるかが値の変化を見分けるポイント。そこに長けている日本人はアナログの時代には強かった。そう、アナログテレビが代表例。

 

しかし、デジタルの世界になるとノウハウが格段に言語化しやすくなる。離散値であるデジタルであれば数字で表すことが可能です。したがって、ノウハウと人間が一体型になった職人芸が発揮される余地は格段に少なくなる。

こうして、日本はデジタルの世界では結局覇権を握れないまま凋落していくのか?それともそこになんらかのアナログな世界を見いだして再び職人芸を生み出すのか?

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