意外と進まないデジタルへの転換。その理由を考える。

スマートデバイス

スマートデバイスが大流行な昨今ですが、その昔にはPDAとか電子手帳というものがありました。それなりには流行ったと思うのですが浸透はしないまま、スマートデバイスに取って代われた感があります。

しかし、スマートデバイスが持てはやされてるとはいえ、紙の手帳やノートがなくなる気配はありません。デジタル派かアナログ派かという論争はもう10年以上続いている気がします。PDAの時代はデバイスの速度がネックになることもあったでしょうが、いまのスマートデバイスは処理速度は早くなりました。

にもかかわららず、大規模なデジタル派への宗旨替えが起こっているようには見えません。

理由はいろいろとあるのかもしれませんが、柔軟性が一番大きいように思います。手帳やノートへの記述はその場所や、文字の大きさ、余白など様々なアナログ特有の方法で「意味づけ」を付加できます。どうでも良い記述は下の方へ小さくとか、重要なものは大きな文字にして丸でも囲むといった処理が簡単にできます。

テキストの入力速度だけをとればいまやスマートデバイスにハンディキャップはないでしょう。もちろん人によって入力速度は違いますが、推測変換やフリック入力を駆使すれば手書きより早く書けるという人もいるでしょう。しかし、書式を含めてということになると途端に分が悪くなるのがスマートデバイスです。もちろん後からでも書式を設定できるのはメリットなのですが、人間が文字を書く一瞬のうちに書式を決めながら書き記すアナログ入力に比べるとどうしても手間がかかります。

おそらくはこのあたりがアナログ派が残るひとつの要因でしょう。そして、これはアナログがもつ本質的な価値でもあるので、まだ当面はアナログが残り続ける可能性が高いことを示唆している気がします。

タイトルとURLをコピーしました